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クーラーが無くても涼しく過ごせる服「ペルチェ効果」を使った冷却ベスト

 

 

電源をONにすると、大型ファンが稼働し、体全体が涼しくなる「冷却ベスト」はご存知だと思います。

 

その冷却ベストにペルチェ効果を応用した冷却ベストがあります。

 

 

 

 

ペルチェ効果を一言で言うと、「電流を流すと熱を吸い取る金属の特性」の事です。

 

ペルチェ効果を使う事によるメリットが3つあります。

・装置を小型できる

・省電力で長時間稼働

・環境に優しい材質

 

ここでは、ペルチェ効果を使った冷却ベストのメリットについて説明します。

 

更に、他の種類の冷却ベストとの比較した結果や、ペルチェ効果の特徴、ペルチェ効果を応用した製品について説明します。

 

 

 

 

 

ペルチェ効果による冷却ベストの3つのメリットとは?



・装置を小型できる

 

冷却装置と言えば、水やフロンガスで空気を冷す装置が一般的で、かなり大掛かりなものになります。

 

一方、ペルチェ式は、熱を吸い取る金属の板と電源だけの簡素な構造のため、サイズを小さく出来ます。

 

構造が簡素であれば、使用する部品も少なくなり、軽量で故障も起こりにくくなります。

 

・省電力で長時間稼働

 

水やフロンガスを使った冷却装置の場合、水を循環させたり、フロンガスを液体化させるため、消費電力が高くなります。

 

一方、ペルチェ式の場合、プレートに電気を流すだけなので、消費電力は少なくて済みます。

 

消費電力が少ない分、長時間稼働できます。

 

・環境に優しい

 

ペルチェ式は、フロンガスを使う事なく冷却できるので、環境に優しい冷却方式と言えます。

 

また、電力の消費も少ないので、この点に置いても環境に優しいと言えます。

 

以上、ペルチェ効果による3つのメリットを説明しました。

 

ここで、冷却ベストの違いを比べてみたいと思います。

 

ペルチェ式ベストを販売しているサンコー株式会社の水冷式の冷却ベストと比較しました。

 

 

 

 

・対象商品

 > ペルチェベスト「冷蔵服」

 > 水冷クールベストLite

 

・冷却方式

 > ペルチェ式 冷却プレート+大型ファン

 > 水冷式   氷+水をポンプで循環

 

ペルチェ式は、背中の冷却プレートが冷たくなりますが、冷気を大型ファンでベスト内に送ることで、ベスト内全体が冷える構造になっています。

 

水冷式は、リュックの中入れた氷と水を、ポンプでベスト内を循環するしくみとなっています。

 

手間を考えると、ペルチェ式の方が圧倒的に手軽だと言えます。

 

・重量

 > ペルチェ式 約660g

 > 水冷式   約760g

 

水冷式が100g重たいですが、体感的には殆ど分からないレベルだと思います。

 

・動作音

 > ペルチェ式 ファン動作音52db

 > 水冷式   ポンプ動作音45db

 

以外にも、ペルチェ式の方が動作音が高いことが分かりました。

 

ファンの動作音は案外無視出来ないようです。

 

・外気温との差

 > ペルチェ式 -15℃(冷却プレート部)

 > 水冷式   -10℃

 

ペルチェ式の方が -5℃低くなります。

 

 5℃の差はかなり大きいと思います。

 

・連続稼働時間(バッテリー 1,000mAh使用時)

 > ペルチェ式 最長 約5.5時間

 > 水冷式   最長 約1.5時間

 

ペルチェ式の方が、4時間も長く間稼働することが分かりました。

 

水冷式は、使っていると水が熱を帯びてしまうため、氷と水を入れ直す必要があります。

 

その点、ペルチェ式はバッテリーが続く限り、冷却し続ける事が出来ます。 

 

この差は非常に大きいと思います。

 

冷却方式、外気温との差、連続稼働時間の差を比較すると、ペルチェ式の優位性がご理解頂けると思います。

 

 

なぜ冷たくなるの?ペルチェ効果の原理を説明



ここで、ペルチェ効果の原理について簡単に説明します。

 

「ペルチェ効果」は、1843年フランスの学者ペルチェが発見したものです。

 

ペルチェ効果とは、異なる金属をくっつけて電気を流すと、一方に熱が流れていく現象のことです。

 

電気を熱に変換する現象で、「熱電変換」とも言います。

 

熱が異動するので、金属の片面は温度が下がりますが、片面は温度が高くなります。

 

ペルチェ式ベストの場合、ベスト内のプレートが-15℃になりますが、反対側は+15℃になります。

 

外気温が25℃の場合、ベストの内側は 10℃、ベストの外側は40℃になり、熱くて触れません。

 

そのため、ベストの外側のプレートを冷やすため、大型ファンを使用しています。

 

このように、ペルチェ式の製品には、熱くなった面を冷やす機構が備わっています。

 

ここで、ペルチェ効果を応用した製品について、ご説明します。

 

・電子部品の冷却装置

 

コンピューターに詳しい方にはお馴染みの「ペルチェ素子」も、ペルチェ効果を応用した製品です。

 

CPUの冷却ファンなどに利用されています。

 

・冷蔵庫

 

ペルチェ式冷蔵庫は、従来型の冷蔵庫とくらべ、コンプレッサーが無いため、収納容積が増え、音も静かです。

 

ただ、小型のものしか無いため、使用用途は限定されます。

 

・ネッククーラー

 

様々な種類の製品が発売されています。

 

首の接触面のプレートが取り付けられていて、急速に首を冷やしてくれます。

 

・エアコン/扇風機/除湿器

 

ペルチェ式を採用したエアコン、扇風機、除湿器が販売されていますが、いずれも小型で、従来製品と置き換える程の機能を持ったものはまだ無いようです。

 

 

まとめ



ペルチェ効果を使った冷却ベストのメリット、ペルチェ効果の説明、ペルチェ効果を応用した製品について説明してきました。

 

ペルチェ効果を使った製品は、コンピューター部品以外にも様々な製品に応用されています。

 

新たに発売された「ペルチェ式ベスト」を皮切りに、まったく新しい製品が誕生するかもしれません。

 

180年近く前に発見された法則がどこまで広がるか、今後が楽しみです。