2020年7月1日より、レジ袋の有料化制度「プラスチック製買物袋有料化制度」がスタートしました。
現在、世界的規模で、プラスチックを減らす「脱プラスチック化」に向けた取り組みが進められています。
プラスチックは加工しやすく、軽く、取り扱いが便利な反面、自然界で分解されにくく、自然界への負担が大きい素材だと言われています。
また、人体への被害も懸念されています。
日本でも、「脱プラスチック化」社会を目指した取り組みが進められています。
日本では、次の3つの法規制が適用されています。
・法規制1 : 容器リサイクル法
・法規制2 : プラスチック製買物袋有料化制度
・法規制3 : プラスチック資源循環法関連
ここでは、日本で適用されている「脱プラスチック化」に向けた3つの法規制について説明します。
更に、プラスチックに代わる代替素材、脱プラスチック化によるデメリットについても説明します。
■プラスチックに代わる代替品は?3つの法規制で脱プラスチック化を目指す日本
・法規制1 : 容器リサイクル法
1995年6月に制定された法律です。
増え続けるゴミの量を減らすため、容器をリサイクルしてゴミを減らす事を目的としています。
2000年に紙製容器包装、プラスチック製容器包装がリサイクル対象となました。
この法律で、消費者、市町村、事業者に、それぞれ役割が与えられました。
消費者の役割はゴミの分別排出、市町村の役割はゴミを分別収集、事業者の役割はゴミをリサイクルする、となっています。
リサイクルされた紙製包装(飲料用、段ボール製容器、紙製容器)や、プラスチック容器(PETボトル、プラスチック製容器)には、リサイクルマークが付与されています。
・法規制2 : プラスチック製買物袋有料化制度
文字通り「レジ袋有料化」制度です。
2019年12月、プラスチック製買物袋有料化制度のガイドラインが頒布、2020年7月からレジ袋の有料化がスタートしました。
以前は、コンビニなどで購入した商品をレジ袋に入れずに持ち帰る事がためらわれましたが、いまでは堂々とそのまま持ち帰る事ができるようになりました。
マイバックを持参される方も増えました。
その一方で、レジ袋を自宅のゴミ収納に利用されているご家庭では、別途レジ袋を購入することになり、削減効果としては疑問の残る制度であると言えます。
・法規制3 : プラスチック資源循環法関連
2022年4月から運用が開始された法律です。
消費者、市町村、事業が一丸となって、プラスチックをもっと効率よくリサイクルしよう!という趣旨の法律です。
プラスチック容器だけでなく、すべてのプラスチックがリサイクルの対象となります。
本法律では、次の内容が掲げられています。
① プラスチック廃棄物の排出の抑制、再資源化に資する環境配慮設計
② 一度だけ使用した後に廃棄するプラスチック製品使用を合理化
③ プラスチック廃棄物の分別収集、自主回収、再資源化
プラスチック製品すべてがリサイクル対象となる事で、プラスチックを利用する製品すべてにリサイクルマークが付与されるようになるかもしれません。
脱プラスチック化の一環として、プラスチック製品を別の素材に置き換える動きも進んでいます。
プラスチック製品の代替品として利用されているものをご紹介します。
・プラスチックの代替品1 : 紙
プラスチックの替わりに、紙を使用します。
・プラスチックの代替品2 : パルプモールド(段ボールや新聞の古紙が主原料)
プラスチックの替わりに、パルプモールドと呼ばれる厚手の紙のような素材を使用します。
最近、家電製品などでよく目にする様になりました。
・プラスチックの代替品3 : バガス(さとうきび由来の原料)
コンビニの弁当容器として利用されています。
プラスチックの様な形状の紙製の器です。
丈夫で、耐水性があり、可燃ゴミとして廃棄できるので環境に優しい素材です。
・プラスチックの代替品4 : 竹
竹を一度砕いたペレット(ちいさく圧縮した粒上の素材)が原料です。
竹のペレットから、ストロー、ナイフ、フォーク、スプーン、お皿、箸など、様々な食器が作られています。
・プラスチックの代替品5 : 米
廃棄米とプラスチックを混ぜて作る「ライスレジン」という素材があります。
プラスチックと比較し、強度と製造コストは変わらず、CO2の排出量が7割減となるそうです。
・プラスチックの代替品6 : 天然鉱石(タルク、石灰石)
天然鉱石とプラスチックを混ぜて、プラスチックの代替品を製造しているメーカーもあります。
ヨドバシカメラでは、石灰石を使った手提げ袋を提供してくれます。
■本当に大丈夫?脱プラスチック化によるデメリットとは?
世界的に脱プラスチック化に向けて、取り組みが進められています。
脱プラスチック化の具体策として、「①プラスチックの再利用」と、「②代替素材によるプラスチックの置き換え」 の2つがあります。
「②代替素材によるプラスチックの置き換え」には、デメリットがあります。
代替素材で出来た製品が、プラスチック製品より劣る場合があります。
例えば、紙製のストローは、長時間使っているとふやけてしまうといった問題があるそうです。
更に深刻な問題は、「代替素材がリサイクル困難」という事です。
長年使われ続けてきたプラスチックには、既にリサイクルするためのノウハウがあり、高い精度でリサイクルするシステムが構築されています。
しかし、新たに登場した代替素材 たとえば「ライスレジン」や「石灰石の手提げ袋」などは、米/石灰石とプラスチックを分離しなければならず、新たにリサイクルのノウハウを構築する必要があります。
今後、これらの問題が解決され、真の意味での「脱プラスチック化」が実現される事を期待します。
■まとめ
日本で適用されている「脱プラスチック化」に向けた3つの法規制、プラスチックに代わる代替素材、脱プラスチック化によるデメリットについて説明しました。
直接的な被害が無いので、必要性をあまり感じない問題かもしれませんが、直接的な被害が現実になってからでは手遅れになる問題であることは間違いありません。
そうなる前に、できることを実践していく必要があります。
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