「HoloLens2」は、マイクロソフトが開発・販売しているヘッドマウントディスプレイ方式のコンピュータです。
「HoloLens2」を装着することで、MR(複合現実)を実現する事ができます。
残念ながら、「HoloLens2」は、企業および開発メーカー向けの販売のみ行っており、個人向けには販売していません。
現在、ドイツの自動車メーカー「フォルクスワーゲン」が利用を検討するなど、自動車業界で注目されています。
直接「HoloLens2」は買えなくても、自動車にバンドルされた「HoloLens2」を入手できるかもしれません。
この「HoloLens2」で実現できることは次の3つになります。
・VR:Virtual Reality (仮想現実)
・AR:Augmented Reality (拡張現実)
・MR:Mixed Reality (複合現実)
こちらの記事では、上記の内容について解説し、更に HoloLens2 の具体的な使用方法と、現状の課題について解説します。
HoloLens2で実現!「MR」の世界
HoloLens2は、4台の可視光カメラ、2台の赤外線カメラ、音声認識用マイク/スピーカー、Wi-Fi、Bluetooth を搭載しています。
バッテリーフル充電で2~3時間連続稼働できます。
重さは566g、500mlのペットボトルよりやや重いといった所です。
「HoloLens2」 は、他のデバイスを利用することなく、単体でMRを実現できる唯一のデバイスです。
MRとは、VRとARを融合した技術で、 存在しない仮想空間の物体を、触って動かす技術の事です。
それでは、VR、AR、MRについて順次説明して行きます。
・VR:Virtual Reality (仮想現実)
現実世界とまったく異なる世界を作り出して体験できるものです。
自宅でスタジアムに居るような感覚でスポーツを観戦したり、現地に行くことなく、別の場所から不動産物件を内覧したりする、といった用途に使われています。
・AR:Augmented Reality (拡張現実)
現実世界にCGやアニメーションを合成し、現実の世界に仮想空間を作り出す技術のことです。
例えば、星空を映した画面に星座を重ねて表示したり、床を映した画面にキャラクターを重ねて表示することができます。
「ポケモンGo」で、カメラで写した映像の中にポケモンが表示されますが、それがまさにARなのです。
・MR:Mixed Reality (複合現実)
VRとARを融合した技術で、仮想空間上の物体を触ったり動かしたりすることができる技術です。
「HoloLens2」 は、MRを実現するために開発されたデバイスです。
MRを実現するためには、VRとARが必要なため、VR、AR、の機能も備わっています。
「HoloLens2」 は、5本の指の動作を検出することができ、例えば仮想空間上のピアノを演奏することができます。
また、ホログラムを指でつまんでひっぱったりすることもできます。
イメージがしにくいと思いますので、 「HoloLens2」 の具体的な操作例を説明します。
・タッチカーソル
ホログラムの手を近づけると、人差し指に白いリング(=タッチカーソル)が表示されます。
タッチカーソルでホログラムをタップします。
・ハンド レイ
ホログラムが遠くにある時、手からホログラムまで白い線(=ハンド レイ)が表示されます。
ハンド レイを掴んで引っ張ると、ホログラムが近くに移動します。
・エアタップ
人差し指を振り下ろし、親指とくっつけた後、すぐ離すとエアタップ動作になります。
選択したホログラムに対し、アクションする事ができます。
・ホログラムを掴む
エアタップの様に、人差し指を降ろし、親指にくっつけたままにします。
すると、ホログラムを掴み、上下左右移動に加え、回転させるさせる事ができます。
この様に、ホログラムを操作し、MRを実現する事ができます。
まさに映画で観た世界を現実化したようなデバイスだと言えます。
しかし、いくつか課題が残っていて、対処が待ち望まれています。
「HoloLens2」 の課題について説明します。
HoloLens2 を使用する上での注意点
HoloLens2は、実は環境に対する弱点を持っています。
どのような環境に弱いのか、説明します。
・照明
周囲が明るすぎたり、暗すぎると、カメラに何も映らなくなります。
屋外で使用する場合、太陽の影響(時間の経過で光量が変化する)で、正常に表示されない場合があります。
そのため、光量が変化しない、安定した適度な明るさでの運用が必要です。
・空間内の配置物
空間内の特徴から、自分の位置を割り出し、ホログラムを置く場所を決めます。
しかし、空間内に特徴が無いと、自分の位置が特定できず、ホログラムをうまく表示できません。
たとえば、壁にポスターを貼ったり、部屋に植物を置くなどすると、特徴が見つけやすくなり、ホログラムを正しく表示可能になります。
・ワームホール
部屋の中に同じような領域(=「ワームホール」と呼ぶ)があると、区別が付かなくなり、自分の位置を誤って検出する可能性があります。
同じ領域ができない様、配慮する必要があります。
・空間内の移動
常に移動する人や物が多数映っている場合、位置の特定を誤る可能性があります。
移動物が多と、追いきれなくなり、見失ってしまうためです。
なるべく移動物は少ない環境が良いでしょう。
まとめ
マイクロソフトが開発・販売している「HoloLens2」について説明しました。
MRというと、まだゲームでの実例が多く、実際に買い物や会議などでの利用例は少ないと思います。
しかし、自動車業界も採用を検討したり、サントリーが人材育成に利用するなど、少しづつではありますが採用されています。
近未来映画で見るような、MRが現実になると考えると、ワクワクしませんか。
早くそんな日が来て欲しいものですよね。